回帰熱

中島みゆき( MIYUKI NAKAJIMA ) 回帰熱歌詞
1.黄砂に吹かれて

作詞:中島みゆき
作曲:後藤次利

黄砂に吹かれて聴こえる歌は
忘れたくて忘れた 失くしたくて失くした
つらい恋の歌
眠りを破って聴こえる歌は
わかってるつもりの 紛らせてるつもりの
ひとつだけの歌

もう 蜃気楼なのかもしれない
片思いかもしれない

あなたに似てる人もいるのに
あなたよりやさしい男も
砂の数よりいるのにね
旅人

黄砂に吹かれて彷徨(さまよ)う旅は
地下を深く流れる 澄んだ水に似ている
終わりのない旅

微笑(ほほえみ)ずくで終わらせた恋が
夢の中 悲鳴あげる

あなたに似てる人もいるのに
あなたよりやさしい男も
砂の数よりいるのにね
旅人

「うそつき」「うそつき」「うそつき」こみあげる
遠くへ向かう旅に出たいの
あなたから遠い国まで
誰にも会わない国まで
黄砂よ何故 嘘 見破るの
旅人


2.肩幅の未来

作詞:中島みゆき
作曲:筒美京平

こわれかけたラジカセ あなたが捨てたガラクタ
かわいそうで拾って 直せないまま ひと夏
忘れんぼうの歳月 好奇心でスイッチ
ノイズだらけのFM 痛い曲が流れ出た

ケンカなんていつもだった
嫌いなんて言わなかった
ちょっと甘い ちょっと苦い 夕暮れの溜息

※肩幅の未来 いちずにあなたの背中しか
肩幅の未来 見ない自分が怖かった
1人になって見る夢は こんどは昔の背中だけ
……らちもない※

ライヴハウスの立ちぎき ショールームの1日
非常口から夜中の駐車場に潜んでいた

宝探しするように
サヨナラを探したね
あなただって子供だった 私たち子供だった

肩幅の未来 いちずにあなたの背中しか
肩幅の未来 見ない自分が怖かった
1人になって見る夢は なおさら昔の背中だけ
……らちもない

(※くり返し)


3.あり、か

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

その日もおいらはアルバイトでこき使われてくたばってた
路地裏では遠慮なしに猫がさかっていた
表通りのキャバレーからぼられた客がころがり出す
踏みたおしてただで済むと思うなとしゃがれ声
逃げこんできたのはおいらの1DK
扉のいかれたおいらの1DK
てめえもグルかと Trap Beat
夜が回る
とぼけたふりかと Trap Beat
夜が回る
こんなことって あり、か

その夜おいらを介抱した女に心当たりがない
ふらつく足ふらつく夜ふくみ笑いの夜
出来すぎたとりつくろいねとドアでさえぎりおまえが去る
どこから夢どこまで夢ねじれた糸が切れる
泣いてゆくおまえを罠が抱きとる
あの日の酔っぱらいそっと抱きとる
てめえもグルかと Trap Beat
夜が回る
とぼけたふりかと Trap Beat
夜が回る
こんなことって あり、か

罠にかかったそぶりをして奴の喉を軽く掻(か)き切り
こともなげに戻ってきておまえシャワーを浴びてる
あたいを誰だと Trap Beat
夜が回る
愛しているわ Trap Beat
夜が回る
こんなことって

あたいを誰だと Trap Beat
夜が回る
愛しているわ Trap Beat
夜が回る
こんなことって あり、か
あり、か


4.群衆

作詞:中島みゆき
作曲:後藤次利

はかない時代だね
せめて君だけは 私をみつけて
叫び声紛れ 群衆

手をつなぎ 歩いてく
幸せそうな人たち 街に紛れ
手をほどき 別れてく
やつれちまった人たち 街に紛れて

憐れんでも はかなんでも
束の間
争っても うらやんでも
100年も続かないドラマですか

※はかない花たちよ わけもわからずに
流され 流され 織りなすモザイク
はかない時代だね
せめて君だけは 私をみつけて
叫び声紛れ 群衆※

So average

溜息を編みながら
ベンチで暮らすレディも 街に紛れて

憐れんでも はかなんでも
束の間
争っても うらやんでも
行く先もわからないドラマですか

(※くり返し)

100年も続かないドラマですか

(※くり返し)

So average
So average


5.ロンリー カナリア

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

若さにはアクセルだけでブレーキがついてないと
少しつらそうに 呟くあなたの
目を見ると心が痛くなる
若さには罪という文字が似合うと
ため息ついても
あなたはすぐ 私を許すわ
このまま高速に乗りましょうよ 混んでない西のほうへ
電話なんて諦めてよ 手をほどかないで
苦い蜜 かじってみた小鳥みたい
震えてる Lonely canary

サヨナラを何処で言うか 出会った時に考える
そんな恋じゃないわ あなたはそうでも
私 明日を数えていない
傷つけるつもりがなくて傷つける
恋はそれ自体 罪なものね
でもやめられない
向こうは雨降りで街は晴れよ 帰ったらなんて言うの
困らせると あなたの目がさみしく曇る
苦い蜜 かじってみた小鳥みたい
震えてる Lonely canary
Lonely canary
Lonely canary…


6.くらやみ乙女

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

暗闇に紛れて会いにゆきたいのに
なのになのに よりによって満月
足跡を隠してくれると頼ってた
強い雨も とうにあがった

通りがかる町の人が 私を叱ってゆく
“目を覚ませ目を覚ませ 思い知っただろう”
世の中なんてやきもちやきばかり
あきらめさせて喜ぶ、そうでしょう

血のように紅い服で あなたに会いにゆくよ
どんな遠い夜でも 見失うことなんてありえない
Believe in you

白く光る道が夜の中にのびる
まるで刃物が横たわってるよう
思いあたることが思い出をかすめる
風に押され 走り出す道

“訪れてはほしくない telもほしくない”
あれは何故あれは何故 心がくり返す
そんなはずないと思うことばかり
目の前にあるドアからこぼれる

血のように紅い服で あなたに会いにゆくよ
せめてひとつ教えて 少しだけは本気もあったよね

血のように紅い服で あなたに会いにゆくよ
せめてひとつ教えて 少しだけは本気もあったよね
Believin' you


7.儀式(セレモニー)

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

ひきずられてゆく波の中で光る
ガラスたちの折れる寒い音がする
少し着くずれたあなたの衿元を
なおしてあげる手を途中で引きます
あの町へ行ったね あの海も行ったね
仲間たちに会ったね いいことばかりだったね

※セレモニー 指輪を結び合い
セレモニー 涙の海へ投げて
セレモニー 単車の背中から
みつめた夕陽に さよなら※

24時間の過ぎてゆく早さを
変えようとしていた夏の日が遠い
危うげな愛の過ぎてゆく早さを
予感してた2人なおさら急いだ
幻を崖まで追いつめたあの日々
耳を打つ潮風はたわごとだけを運んだ

(※くり返し×2)


8.未完成

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

言えないこと何かあって 貴方の目が海へ逸れる
点けたままのTVの中 昔に観た映画が光る

出来上がらないパズルのようね
出来上がらない音楽のようね

※歌い方を教えてくださらないから
最後の小節が いつまでもなぞれない
歌い方を教えてくださらないから
短い歌なのに いつまでも終わらない※

ずるい人ね 貴方からはサヨナラとはきり出せない
未完成の絵を見ながら グラスの中 鍵を隠すわ

恋しがられて行きたいですか
ひきとめられて泣かれたいですか

(※くり返し)

貴方の目のなかで 誰かが踊る
私の捜せないカケラを持っている
貴方の目のなかで 私が消える
私はいつまでもカケラを捜してる

歌い方を教えてくださらないから
最後の小節が いつまでもなぞれない

貴方の目のなかで 誰かが踊る
私の捜せないカケラを持っている

歌い方を教えてくださらないから
短い歌なのに いつまでも終わらない

貴方の目のなかで 私が消える
私はいつまでもカケラを捜してる


9.春なのに

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

卒業だけが理由でしょうか
会えなくなるねと 右手を出して
さみしくなるよ それだけですか
むこうで友だち 呼んでますね
流れる季節たちを
微笑みで送りたいけれど

※春なのに お別れですか
春なのに 涙がこぼれます
春なのに 春なのに
ため息またひとつ※

卒業しても 白い喫茶店
今までどおりに会えますねと
君の話はなんだったのと
きかれるまでは 言う気でした
記念にください ボタンをひとつ
青い空に捨てます

(※くり返し)

記念にください ボタンをひとつ
青い空に捨てます

(※くり返し)